「発達障害の人のビジネススキル講座」(石井京子、池嶋貫二著)読了。

【所感】
もうだいぶ前のことになりますが、ある会社で人事(採用担当)をやっていた経験があることもあって、この本を読んでみた個人的な感想としては、障がいがあるなしにかかわらず、「新入社員に読んでもらいたい本だな」でした。

本題と話はちょっとそれますが、採用担当者は当然、応募者の応募書類(履歴書、職務経歴書等)を拝見するわけですが、封筒のあて名書きですら、まともにできていなかったりすると、正直その段階で、「こりゃ、不採用だな。。。」と思ってしまったりするワケです。……少なくとも、私はそうでした。
ビジネスマナーを知らないばかりに、機会損失をしてしまうことはもったいないことです。

採用担当をしていた当時は、発達障がいについての知識はまったくなかったので、いまにして思えば、文字をきちんと書けていない(曲がっている、大きさが整っていない)履歴書を送ってきた人たちのなかには、発達障がいをもつ方々もいたのではないかと、思ってしまいます。

それから、志望理由でありがちなのが、御社の製品が好きだから、という強い思い入れがある方。残念ながら、製品に強い思い入れがあるだけでは、企業は採用しません。

採用担当者としては、応募者のどんなスキル、能力でもって、どのように会社に貢献してくれるのかを知りたいはずです。

それを語るためには、自分がなにができるのかを客観的に分析して、仕事の実際や職種を知っておかなければなりません。

……この本では、一般的なビジネスマナーの話はもちろんのこと、発達障がいをもつ方ならではの職場の困りごとなどの対応例などが紹介されています。

そのほか、「職種を知ろう」の章では、職種ごとに仕事の中身が細かく解説されているので、働いたことがない方でも職種の具体的なイメージが湧きやすいのではないかと思います。

発達障がいをもつ方が「就職が決まってから入社するまでに知っておきたい仕事のマナーや人とのつきあい方など<生きるためのスキル>」と表紙にありますが、個人的見解としては、元人事パーソンとして思うに、“就職が決まってから”ではなく、“就職活動をしはじめたら”、ぜひとも読むことをおすすめしたい一冊です。


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